同性婚について調べてみると、賛成と反対の意見がそれぞれ強い言葉で並んでいて、結局なにが変わるのかが見えにくい。そう感じていませんか?

同性婚は、まったく新しい制度をつくる話ではありません。いま男女の夫婦が使っている結婚の制度を、同性のカップルにもそのまま開くかどうかの話です。だからメリットもデメリットも、価値観のぶつけ合いより、結婚していないと何が使えないのか、開いたら誰の何が変わるのかを並べたほうがずっとはっきりします。

この記事では、2025年に政府がまとめた法令の整理と、最高裁や高裁の判断をもとに、同性婚で得られるものを個人と社会の両面から見ていきます。反対論として挙がる5つの論点も一つずつ検討し、当事者の側が結婚によって背負うことになる責任にも触れます。筆者自身も当事者ですが、普段の暮らしで同性婚の必要に迫られている実感はそれほど強くありませんでした。調べてみて初めて、足りないものがどこに集中しているかが見えてきました。

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同性婚を認めても新しい制度は生まれず、いまの結婚が同性カップルにも開かれる

同性婚とは、民法が定める婚姻を、同性どうしのカップルにも認めることです。婚姻届を出せば戸籍の上で夫婦として扱われ、男女の夫婦と同じ権利と義務が生まれます。

よく比べられるのが、自治体のパートナーシップ制度です。こちらは自治体が二人の関係を証明したり、宣誓を受け付けたりする仕組みで、法律上の効果はありません。公営住宅に家族として申し込める、病院で説明を受けやすくなるといった実益はありますが、相続も税も社会保障も変わりません。導入自治体はMarriage For All Japan の集計で571、人口の93.82%をカバーするところまで広がりましたが、それでも結婚の代わりにはなりません。制度の中身はパートナーシップ制度と結婚の違いをまとめた記事で詳しく書いています。

もう一つ押さえておきたいのが、同性カップルが法的にまったく無保護というわけでもない点です。同性カップルの一方が不貞をした事件で、最高裁が上告を退け、二人の関係を婚姻に準ずるものとして損害賠償を認めた判決が確定しました。つまり、裁判になれば一定の保護が認められる場面はある。ただ、それは争って初めて得られるもので、届け出一枚で手に入る結婚とは重みがまるで違います。

個人のメリットは、社会保障・税・相続・親権・在留資格に集中している

手をつないで歩く同性カップルの後ろ姿

同性婚で当事者が得るものを具体的に見ていきます。手がかりになるのが、政府が2025年に行った法令の洗い出しです。法律には「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」、つまり事実婚の相手も対象にする規定がいくつもあります。政府はこうした規定に同性パートナーが含まれるかを一本ずつ検討し、結果を公表しました。

  法律婚の夫婦 同性カップル(2026年時点)
婚姻届・戸籍 同じ戸籍に入る 届け出できない
法定相続人になる なる ならない(遺言があれば遺贈は可能)
相続税の配偶者の税額軽減 使える 使えない。遺贈でも税額が2割加算
所得税の配偶者控除 使える 使えない
健康保険の被扶養者 なれる なれない
遺族年金 受け取れる 受け取れない
子どもの共同親権 持てる 持てない
日本人の配偶者としての在留資格 得られる 得られない
借家に住み続ける権利(借地借家法) ある 対象になり得る(2025年の政府整理)
公営住宅への入居 できる 対象になり得る(2025年の政府整理)
犯罪被害者の遺族給付金 対象 対象になり得る(2024年の最高裁判決)

表の下のほうにある「対象になり得る」の行が、この数年で変わった部分です。上半分の「ならない」「使えない」は、結婚しないかぎり変わりません。以下で、それぞれの中身を見ていきます。

事実婚扱いの法令のうち、同性パートナーが対象になり得るのは33本にとどまる

政府は2025年1月にまず24本、同年9月30日に9本を加えて、計33本の法令で同性パートナーも対象に「含まれ得る」と取りまとめました。中身を見ると、住まいに関わる法律が目立ちます。借地借家法、公営住宅法、住宅確保要配慮者への賃貸住宅の供給を進める法律(住宅セーフティネット法)、高齢者の居住の安定確保に関する法律。借地借家法には、借主が亡くなって相続人がいないとき、事実上の夫婦として同居していた人がその借家に住み続けられる規定があり、これに同性パートナーも当てはまり得ることになりました。

ほかにも、DV防止法や児童虐待防止法などが含まれています。政府が整理を進める契機の一つとされたのは、2024年3月26日の最高裁判決です。20年以上一緒に暮らしたパートナーを殺害された男性が犯罪被害者の遺族給付金を求めた裁判で、最高裁は、被害者と申請者が同性か異性かで保護の必要性は変わらないとして、同性パートナーも対象になり得ると判断しました。

住まいの分野では、法律より先に民間の運用が動いてきました。住宅ローンでは、同性パートナーとのペアローンや収入合算を認める金融機関が増え、賃貸でもパートナーを同居人として受け入れる管理会社があります。ただ、どこまで認めるか、どの書類を求めるかは会社ごとにばらばらです。パートナーシップの証明書が要るところもあれば、公正証書を求めるところもあります。結婚できれば、窓口ごとに二人の関係を説明し直す手間そのものがなくなります。

健康保険・年金・税は、結婚しないかぎり同性パートナーに届かない

一方で、同じ取りまとめで対象に含めなかった法令は100本を超えます。そのリストに並んでいるのは、健康保険法、国民健康保険法、国民年金法、厚生年金保険法、介護保険法、所得税法、相続税法、育児・介護休業法、労災保険法、雇用保険法など。暮らしのお金を支える制度がほぼまとめて入っています。

具体的には、パートナーの扶養に入れず、それぞれが国民健康保険と国民年金を払うことになります。どちらかが亡くなっても遺族年金は出ません。相続では、遺言でパートナーに財産を残すことはできますが、配偶者の税額軽減が使えず、配偶者や親子以外が受け取る場合の2割加算もかかります。配偶者の税額軽減があれば、1億6千万円または法定相続分までは相続税がかからないところ、同性パートナーには同じ財産でも重い税がかかるということです。

ここが、同性婚がもたらす個人のメリットの中心です。住まいや犯罪被害のように「事実婚」の枠で少しずつ届き始めた分野がある一方、税と社会保障は結婚という入口を通らないと届かない仕組みになっています。

相続と親権は、遺言や養子縁組では埋めきれない

いまできる備えとして、遺言や公正証書、養子縁組がよく挙がります。どれも意味はありますが、結婚の代わりにはなりきりません。

遺言は財産を渡すことはできても、パートナーを法定相続人にはできず、親(直系尊属)が遺留分を主張する余地も残ります。養子縁組をすれば親子として相続人になれますが、二人の関係が戸籍上は親子になってしまい、養親子だった関係は離縁後も婚姻できないと民法736条が定めているため、将来同性婚ができるようになっても二人が結婚できなくなる恐れがあります。子育てをしているカップルでは、実子であっても片方しか親権を持てず、親権を持つ側が亡くなったとき、残されたパートナーが自動的に親になることはありません。

住まいを共有名義で買った場合はさらに複雑です。どちらかが亡くなると、その持分は親や兄弟に相続され、残されたパートナーが家に住み続けられなくなる恐れがあります。遺言でパートナーに遺すことはできても、先に書いたとおり税の負担は夫婦よりずっと重くなります。家を買ったあとの備え方は、同性パートナーと相続をまとめた記事で具体的に書いています。

外国籍のパートナーと日本で暮らすための在留資格が得られるようになる

国際カップルにとっては、ここが最も切実な点です。2013年の法務省の通知により、外国人どうしが本国で同性婚をしている場合は「特定活動」という在留資格で日本に住めるようになりました。ところが、日本人と外国人の同性カップルはこの扱いの対象外で、海外で結婚していても日本人の配偶者としての在留資格は認められていません。外国人どうしなら住めて、日本人が相手だと住めない。この逆転は、同性婚がないことで生まれている不公平の分かりやすい例です。

社会と企業のメリットは、人材が安心して働き続けられる職場にある

同性婚は当事者だけの話ではありません。企業にとっては、同性パートナーを配偶者として扱う福利厚生を、会社ごとの独自ルールではなく法律に沿って一律に整えられるようになります。いまは結婚祝い金や慶弔休暇、家族手当、社宅の入居などを「同性パートナーも対象」と定める企業が増えていますが、社会保険や税のように会社の努力では変えられない部分が必ず残ります。転勤のときにパートナーを帯同家族として扱えるか、介護休業を取れるかといった点も、法律の対象外であるかぎり会社ごとの判断です。社員の側から見れば、どの会社に勤めるかで家族として扱われる範囲が変わってしまう状態です。

企業の側からも法制化を求める声が上がっています。婚姻の平等に賛同する企業を集めるキャンペーン Business for Marriage Equality には、2026年9月10日時点で718の企業・団体が名を連ねています。

行政の側にも変化があります。いまのパートナーシップ制度は自治体ごとの仕組みなので、引っ越すと証明が途切れ、転居先で出し直さなければなりません。相互に証明を引き継ぐ連携を結ぶ自治体も増えていますが、全国で一律ではありません。国の制度として結婚が開かれれば、自治体がそれぞれ制度を作って運用する手間も、当事者が引っ越しのたびに手続きをやり直す負担も減ります。

海外から人材を迎えるときにも、この差は響きます。本国で同性婚をしている社員が日本に赴任する場合、外国人どうしなら在留資格の道がありますが、パートナーが日本人の社員を海外から呼び戻すときには同じ扱いを受けられません。人材が働く国を選べる時代に、家族を連れて来られるかどうかは赴任先を決める条件そのものです。

反対論として挙がる5つの論点には、根拠のあるものとないものが混ざっている

同性婚をめぐって意見が分かれる様子を表すイメージ

同性婚のデメリットとして語られることの多くは、反対する立場からの主張です。一括りに退けるのではなく、ここでは一つずつ根拠を確かめていきます。実際に考えておくべき論点もあれば、同性婚とは別の原因を同性婚に結びつけているものもあります。

憲法24条の「両性」を理由にする主張は、札幌高裁が退けた

憲法24条1項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」すると定めています。この「両性」を男女のことと読み、同性婚は憲法が想定していない、あるいは憲法改正が必要だという主張があります。国も同性婚訴訟でこの立場をとってきました。

これに対し、2024年3月14日の札幌高裁判決は、24条1項の「両性」は、戦前の家制度のもとで親の同意がなければ結婚できなかった状況を否定し、当事者の意思だけで結婚できることを定めるための表現だったと指摘しました。そのうえで、24条1項は同性間の婚姻も異性間と同じ程度に保障していると初めて判断しています(日本弁護士連合会の会長声明に要旨があります)。憲法を改正しなければ同性婚はできない、という前提そのものが揺らいでいるのが現状です。

少子化が進むという主張には、因果を示す裏づけがない

同性カップルは子どもを持ちにくいので、同性婚を認めると少子化が進む、という意見もあります。けれど、同性婚を認めても、異性のカップルが結婚しにくくなったり、子どもを持ちにくくなったりするわけではありません。同性婚があってもなくても、同性を好きになる人の多くは異性と結婚して子どもを持つわけではないからです。

日本の少子化の要因として挙がるのは、子育てにかかる費用、働き方、晩婚化、不妊といった、異性カップルの側の事情です。同性婚と少子化を結びつける根拠は示されていません。むしろ同性カップルの中にも子育てをしている家庭や、子どもを望む人はいて、親権を二人で持てないことがその妨げになっています。

伝統的な家族観が崩れるという主張は、既存の夫婦の権利を何も変えない

結婚は男女が子どもを育てるための制度であり、同性婚はその伝統を壊す、という主張です。気持ちとして理解できる部分はあります。ただ、同性婚が認められても、すでに結婚している夫婦や、これから結婚する男女の権利は一つも減りません。変わるのは、これまで入口に立てなかった人が入れるようになることだけです。

日本の結婚の形自体も、ずっと同じだったわけではありません。戦前の家制度のもとでは戸主の同意が要り、夫婦の権利も平等ではありませんでした。いまの制度は、戦後に憲法24条が「両性の合意のみ」「夫婦が同等の権利」と定めたことで大きく作り替えられたものです。

宗教や信条との衝突は、海外で実際に裁判になっている論点だ

同性婚を認めた国では、宗教的な信条から同性カップルの結婚式に関わりたくないという人と、差別を禁じる法律との関係が争われてきました。アメリカでは、同性カップルのウェディングケーキづくりを断った菓子店をめぐり、2018年に連邦最高裁が州の人権委員会の対応は店主の信仰に敵対的だったと判断しています(Masterpiece Cakeshop 事件)。2023年には、同性カップルの結婚式のウェブサイト制作を断りたいというデザイナーについて、意に反する表現を強制することは表現の自由に反すると判断しました(303 Creative 事件)。

日本に置きかえると、事情は少し違います。日本の結婚は役所に婚姻届を出すことで成立する届出婚で、宗教上の儀式とは切り離されています。同性婚が認められても、寺や神社、教会が同性カップルの式を挙げなければならなくなるわけではありません。争点になりうるのは、式場やサービスを提供する事業者が断れるかどうかという、差別の問題の側です。

この論点は、同性婚そのものより、差別を禁じるルールと信条の自由をどう線引きするかの問題です。ただ、同性婚の導入にあわせて考えておく必要があるのは確かで、反対論の中では最も具体的なものの一つと言えます。

民法や戸籍の見直しには手間がかかるが、他国は特別法や規定の整理で対応してきた

同性婚を認めるには、民法や戸籍法で「夫」「妻」「父」「母」と書き分けている規定を見直す必要があります。出生した子どもの親を推定する規定や、生殖補助医療で生まれた子の親子関係をどう扱うかも整理しなければなりません。これは実際にある作業量で、デメリットとして挙げるなら最も現実的なものです。

ただ、これは導入の手間であって、導入しない理由にはなりません。台湾は2017年の司法院大法官の解釈を受け、2019年に民法とは別の特別法を作る形で同性婚を実現しました。どう作るかには選択肢があり、制度設計の問題として解けるものです。

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当事者の側にも、結婚で背負う責任と結婚しない自由の問題がある

ここまでメリットを中心に書いてきましたが、当事者の中にも同性婚を特に必要と感じていない人はいます。筆者自身、日々の暮らしで困っていることはそれほど多くありません。同性婚は「したい人ができるようにする」制度であって、全員が結婚するようになる話ではありません。

そのうえで、結婚には権利と同時に義務もついてきます。同居し、協力し、扶助する義務。生活費を分担する義務。別れるときには財産分与や、場合によっては慰謝料の問題も生じます。いまの同性カップルは、この責任を法的には負わずに済んでいる面もあります。結婚ができるようになれば、それを選ぶかどうかも含めて、二人で話し合う場面が増えるはずです。

もう一つ、結婚が選べるようになると、結婚しない関係が見えにくくなるのではないか、という懸念も考えられます。パートナーシップ制度や事実婚としての保護が縮んでしまうと、結婚という形をとらない人が取り残されかねません。同性婚の実現と、結婚以外の家族のかたちを守ることは、どちらか一方ではなく並べて考えるべきものだと思います。

実際、2025年の政府の整理は、結婚ではなく「事実婚」の枠を同性パートナーに広げたものでした。結婚を選ばないカップルにとっても、この枠が広がることには意味があります。同性婚を求める議論は、結婚するかどうかを自分たちで選べる状態をつくる議論でもあります。

世論では何らかの法的な承認に6割が前向きだが、結婚という形には迷う人も多い

社会の合意がまだない、という意見もよく聞きます。実際の数字はどうなっているのでしょうか?

調査会社イプソスが2026年4月から5月に26か国で行ったLGBT+に関する意識調査では、日本で「同性カップルは法的に結婚できるべきだ」と答えた人は34%でした。「結婚ではないが何らかの法的な承認を得られるべきだ」を合わせると61%に上ります。一方で「わからない」と答えた人も29%と多く、態度を決めかねている人が少なくありません。

反対が多いというより、態度を決めかねている人が多いようです。同性婚で何が変わるのかを具体的に知る機会が増えれば、この「わからない」の層が動く可能性もあります。

世界では39の国・地域が同性婚を認め、G7で残るのは日本だけになった

2001年のオランダを最初に、同性婚を認める国は広がってきました。Marriage For All Japan の集計では、2025年1月にタイとリヒテンシュタインが加わり、39の国・地域で同性婚ができるようになっています。アジアでは、法律で同性婚を認めているのは台湾とタイです。ネパールでは司法判断にもとづく限定的な登録が行われています。国ごとの一覧と導入の経緯は、同性婚の現状と世界の動向をまとめた記事で紹介しています。

G7に目を向けると、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツは同性婚を認め、イタリアは同性カップルに結婚に準じた法的地位を与える登録パートナーシップの制度を持っています。同性カップルの関係を国の法律で何も保障していないのは、G7では日本だけです。

日本では同性婚訴訟が最高裁大法廷に回付され、判断が近づいている

2019年、同性カップルが結婚できないのは憲法に反するとして、全国で「結婚の自由をすべての人に」訴訟が起こされました。2024年3月の札幌高裁を皮切りに、東京、福岡、名古屋、大阪の各高裁が続けて違憲と判断しました。2025年11月の東京高裁(二次訴訟)だけが合憲とし、高裁の結論は6件中5件が違憲となっています。そして2026年3月25日、最高裁が6件すべてを大法廷に回付しました。最高裁として初めての憲法判断は、2027年中にも示される見通しと報じられています。訴訟の経過は訴訟を支える団体のページで追えます。

ただし、この訴訟は国に賠償を求める形をとっているため、判決が出ても、その日から結婚できるようになるわけではありません。制度を作るのは国会です。日本がなぜここまで同性婚に踏み出せずにいるのか、その法的・政治的な背景は日本で同性婚ができない理由を解説した記事に、訴訟を含めたこれまでの流れは日本のLGBTの歴史を年表でまとめた記事にあります。

メリットは結婚でしか届かない領域に集中し、デメリットの多くは制度設計で解ける

並べてみると、同性婚のメリットははっきりと偏っています。住まいや犯罪被害の分野では、政府の整理や最高裁の判断で「事実婚」の枠が同性パートナーにも少しずつ開かれました。けれど、健康保険、年金、税、相続、親権、在留資格は、結婚という入口を通らないかぎり届きません。

反対論のうち、憲法24条の読み方は高裁が正面から答え、少子化や伝統的な家族観は同性婚との因果が乏しいものでした。残るのは、信条の自由との線引きと、民法や戸籍の見直しという現実的な宿題です。どちらも、導入しない理由というより、導入するときに丁寧に設計すべき点です。

制度が変わるまでのあいだも、暮らしは続きます。遺言や公正証書、パートナーシップの証明は、結婚の代わりにはならなくても、いま使える備えです。二人で家を買うとき、ローンの組み方と名義の決め方が、万一のときの守り方を大きく左右します。そのあたりは同性カップルが使える住宅ローンの記事にまとめました。何が足りないかが分かれば、今日できることも見えてきます。