東京には多様なセクシュアリティを持つ人々が安心して過ごせるLGBTsフレンドリーなカフェが数多く存在します。

本記事では、昼間でも安心して利用できる東京のLGBTsフレンドリーカフェについて、それぞれの特色や魅力を詳しくご紹介。営業状況を確認した現在(2025年8月)営業中の店舗のみを厳選してお伝えします。

LGBTsフレンドリーカフェとは何か

LGBTsフレンドリーカフェとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどの性的少数者(セクシュアルマイノリティ)が安心して利用できるよう配慮されたカフェのことです。これらのカフェでは、セクシュアリティに関係なく、すべてのお客様が快適に過ごせる環境作りを大切にしています。

LGBTsフレンドリーカフェの特徴として、オーナーやスタッフがLGBTs当事者である場合が多く、当事者の気持ちを理解した心配りが行き届いています。また、多様性を尊重する雰囲気があり、同性カップルでも気兼ねなくお茶を楽しめる空間となっています。

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新宿エリアのおすすめLGBTsフレンドリーカフェ

新宿エリアは日本最大のLGBTsタウンとして知られ、多様なカフェが集まっています。ここでは新宿二丁目を中心とした、特色あるLGBTsフレンドリーカフェをご紹介します。

どん浴(新宿二丁目)

新宿二丁目にある「どん浴」は、足湯を楽しみながら飲食ができるユニークなカフェです。オーナーはレズビアンの長村さと子さんで、セクシュアリティや年齢、国籍に関係なく、誰もが安心して過ごせる居場所作りを心がけています。

どん浴の魅力は、なんといっても足湯とカフェメニューを同時に楽しめることです。ハンモック席もあり、さまざまな楽しみ方ができます。カウンター席も用意されているため、一人でも気軽に利用できます。電源も完備されており、仕事や読書にも最適です。

営業時間は月・水〜金曜日が14:00〜22:00、土日祝日が12:00〜22:00(定休日:火曜日)で、昼間から夜まで利用できるのも嬉しいポイントです。LGBTsをテーマにしたトークイベントやワークショップも不定期で開催されており、コミュニティとの関わりを感じられる場所となっています。

ロイトシロ(新宿歌舞伎町)

新宿歌舞伎町にある「ロイトシロ」は、実在する同性のペンギンカップル「ロイ」と「シロ」から名前を取ったパフェ専門店です。オーナーはオープンリーゲイのカップルで、二人三脚でお店を営んでいます。

歌舞伎町の外れに位置するため、新宿二丁目に馴染みのない人でも訪れやすい立地です。男性一人でパフェを食べることに抵抗がある方でも、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと楽しめます。「夜パフェ」として深夜営業も行っており、カフェ利用とバー利用の両方が可能です。

営業時間は水・木曜日が20:00〜1:00、金・土曜日が20:00〜1:00、日曜日が13:30〜21:00で、月・火曜日が定休日です。日曜日は60分制となっているため、事前に確認することをおすすめします。

アラマスカフェ(新宿二丁目)

新宿二丁目の仲通り沿いにある「アラマスカフェ」は、タコスが楽しめるカフェ兼バーです。店名の「アラマス」はタイ語でダイアモンドを意味し、メキシカン調の内装にピンク色の壁が特徴的です。

昼間から営業しているため、新宿二丁目では珍しい存在です。愉快なスタッフやDJによる音楽が流れる賑やかな雰囲気で、多様な人々が集まる社交的な空間となっています。

営業時間は火〜木曜日が18:00〜2:00、金・土・祝前日が18:00〜5:00、日・祝日が15:00〜24:00で、月曜日が定休日です。ハッピーアワーも設定されており、お得に楽しめる時間帯もあります。

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その他エリアのLGBTsフレンドリーカフェ

新宿以外の東京都内にも、魅力的なLGBTsフレンドリーカフェがあります。それぞれ異なる雰囲気と特色を持つカフェをご紹介します。

yuricafe anchor(新宿二丁目)

新宿二丁目にある「yuricafe anchor」は、「百合」をキーワードにした珍しいカフェです。2005年から営業を続ける老舗で、移転を経ながらも2025年でまもなく20周年を迎える歴史あるお店です。

店内には百合漫画を中心とした2000冊を超える書籍が所蔵されており、共通の趣味を持つ人たちが集まる場所となっています。電源も完備されているため、長時間の作業にも対応しています。通常のカフェとは異なり、30分ごとの利用料金制となっているため、事前に確認することをおすすめします。

営業時間は木〜月曜日の14:00〜18:00(DAY TIME、チャージなし)および18:00〜23:00(BAR TIME、チャージ500円)で、火・水曜日が定休日です。DAY TIMEから利用している場合は、BAR TIMEもチャージなしで利用できるのが嬉しいポイントです。

新宿ダイアログ(新宿三丁目)

新宿三丁目にある「新宿ダイアログ」は、SDGsをテーマとしたLGBTsフレンドリーなカフェ&バーです。「世界のみんなと、ごいっしょに」をテーマに掲げ、食を通してSDGsについて考えられる画期的なお店です。

最大の特徴は、ドリンクを注文するたびにコインが1枚渡され、環境問題や貧困などSDGs17項目の箱に入れることで、その社会問題に取り組む団体に寄付される仕組みです。昼間はビーガン料理やオーガニックメニュー、夜はカラフルなカクテルが楽しめます。

店長やシェフなどスタッフにトランスジェンダーの方がおり、誰にとっても安心できる居場所作りを大切にしています。また、LGBTsはもちろん、ヴィーガンやベジタリアン、そして地球にもフレンドリーなカフェとして多くの人に愛されています。

営業時間は11:00〜17:00、18:00〜23:00で、月・火曜日が定休日です。公式サイトはありませんが、Instagramで最新情報を確認できます。

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LGBTsフレンドリーカフェの楽しみ方

LGBTsフレンドリーカフェには、一般的なカフェとは違った魅力や楽しみ方があります。ここでは、より充実した時間を過ごすためのポイントをご紹介します。

一人での利用方法

LGBTsフレンドリーカフェは、一人でも気軽に利用できるよう配慮されています。多くのカフェでカウンター席が用意されており、読書や作業に集中できる環境が整っています。電源やWi-Fiが完備されている店舗も多く、リモートワークの場所としても活用できます。

初めて訪れる際は、平日の昼間など比較的空いている時間帯を選ぶと、ゆっくりと店内の雰囲気を楽しめます。スタッフとの会話も弾みやすく、お店の特徴やメニューについて詳しく聞くことができるでしょう。

カップルでの楽しみ方

同性カップルにとって、気兼ねなく過ごせる空間は非常に貴重です。LGBTsフレンドリーカフェでは、手をつないだり、自然な距離感で過ごしたりすることができます。特別な記念日のお祝いや、普段のデートスポットとしても最適です。

店舗によっては足湯やハンモック席など、ユニークな設備を楽しめる場所もあります。お互いの好みに合わせて、リラックスできる席を選んで過ごしましょう。

コミュニティとの関わり

多くのLGBTsフレンドリーカフェでは、トークイベントやワークショップ、オフ会などのコミュニティイベントが開催されています。これらのイベントに参加することで、同じような経験を持つ人々との出会いや情報交換が可能になります。

初めてLGBTsコミュニティに参加する方にとって、カフェは敷居が低く参加しやすい場所です。まずは日常的にカフェを利用し、店内の雰囲気に慣れてからイベントに参加してみることをおすすめします。

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カフェ選びのポイントと注意点

LGBTsフレンドリーカフェを選ぶ際には、一般的なカフェとは異なる特徴を理解しておくことが大切です。初めて利用する方でも安心して楽しめるよう、選び方のコツをお伝えします。

営業時間と定休日の確認

LGBTsフレンドリーカフェは、一般的なカフェとは営業時間が異なる場合があります。昼間のみ営業している店舗もあれば、夜間中心の営業形態を取っている店舗もあります。また、「yuricafe anchor」のようにDAY TIMEとBAR TIMEで料金体系が変わる店舗もあるため、訪問前には必ず営業時間と料金システムを確認しましょう。

特に新宿二丁目エリアのカフェは、夜の営業が中心となる場合が多いため、昼間に利用したい場合は事前の確認が重要です。また、イベント開催時には通常営業と異なる場合もあるため、公式サイトやSNSで最新情報をチェックしておくことをおすすめします。

予約の必要性

人気の高いLGBTsフレンドリーカフェでは、特に週末や祝日に混雑することがあります。確実に利用したい場合は、事前に予約を取ることをおすすめします。特に「ロイトシロ」は60分制となっているため、事前の確認や予約が重要です。

初回訪問時は、予約なしでも利用できる時間帯を選ぶか、電話で空席状況を確認してから向かうと安心です。

料金システムの確認

一般的なカフェとは異なる料金システムを採用している店舗もあります。「yuricafe anchor」のようにDAY TIMEとBAR TIMEでチャージが異なる場合や、足湯利用に別途料金がかかる場合があります。

訪問前にウェブサイトやSNSで料金システムを確認し、予算に合わせて利用時間を計画しておくことが大切です。不明な点がある場合は、直接店舗に問い合わせることをおすすめします。

LGBTsカフェ文化の意義と社会的役割

LGBTsフレンドリーカフェは、単なる飲食店を超えた重要な社会的機能を果たしています。その文化的意義と、多様性のある社会の実現に向けた役割について考えてみましょう。

居場所としての重要性

LGBTsフレンドリーカフェは、単なる飲食店以上の意味を持っています。多くのLGBTs当事者にとって、セクシュアリティを隠すことなく自然に過ごせる貴重な「居場所」となっています。日常生活の中で感じることがある疎外感や孤独感を癒し、自分らしくいられる空間を提供しています。

特に若い世代のLGBTs当事者にとって、同じような経験を持つ人々との出会いや交流の場として重要な役割を果たしています。家族や学校、職場ではなかなか話せない悩みや体験を共有できる場所として、精神的な支えにもなっています。

理解促進と啓発活動

LGBTsフレンドリーカフェは、当事者だけでなく、アライ(理解者・支援者)や一般の人々にとっても学びの場となっています。日常的に多様な人々が集まる空間に身を置くことで、自然とLGBTsに対する理解が深まります。

また、多くのカフェではLGBTsに関する書籍や資料が置かれており、知識を深める機会も提供されています。トークイベントやワークショップを通じて、より積極的な学習や交流も可能です。

次世代への影響

LGBTsフレンドリーカフェの存在は、次世代のLGBTs当事者にとって希望の象徴でもあります。自分らしく生きる大人たちの姿を見ることで、将来への不安が軽減され、前向きな人生設計を描けるようになります。

また、これらのカフェの経営者やスタッフの多くがロールモデルとして機能し、若い世代に勇気と希望を与えています。多様性を認め合う社会の実現に向けて、重要な役割を担っていると言えるでしょう。

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東京都内の地域別LGBTsフレンドリーカフェガイド

東京都内では、地域ごとに異なる特色を持つLGBTsフレンドリーカフェが展開されています。それぞれのエリアの特徴や雰囲気を理解して、自分に合ったカフェを見つけてみましょう。

新宿エリアの特徴

新宿エリア、特に新宿二丁目周辺は、日本最大のLGBTsタウンとして知られています。ここにあるカフェは、長年にわたってコミュニティの中心的な役割を果たしてきました。夜間営業が中心のバーが多い中、昼間も利用できるカフェは特に貴重な存在です。

新宿エリアのLGBTsフレンドリーカフェは、それぞれ独自の特色を持っています。足湯が楽しめる「どん浴」、パフェが自慢の「ロイトシロ」、タコスが味わえる「アラマスカフェ」など、多様なニーズに応えられる選択肢があります。

表参道・原宿エリア

表参道・原宿エリアには、よりカジュアルでおしゃれな雰囲気のLGBTsフレンドリーカフェがありました。現在は一部のカフェが閉店していますが、このエリアでは幅広い年齢層が利用しやすい環境があり、LGBTs当事者以外の利用者も多く見られます。

このエリアのカフェは、ファッションやアート、カルチャーとの関わりが深く、クリエイティブな活動をする人々の交流の場としても機能していました。多様性を自然に受け入れる都市文化の象徴的な存在と言えるでしょう。

その他の注目エリア

池袋、浅草、渋谷など、東京都内の様々なエリアにもLGBTsフレンドリーなカフェやバーが点在しています。これらの店舗は、地域住民や通勤・通学で利用する人々にとって身近な居場所となっています。

地域密着型のLGBTsフレンドリーカフェは、新宿二丁目まで足を運ぶのが難しい人々にとって重要な存在です。それぞれの地域特性を活かした独自のサービスや雰囲気を楽しめるのも魅力の一つです。

店名 エリア 特徴 営業時間
どん浴 新宿二丁目 足湯・ハンモック席 月・水-金:14:00-22:00
土日祝:12:00-22:00(火休)
ロイトシロ 新宿歌舞伎町 パフェ専門店 水木:20:00-1:00
金土:20:00-1:00
日:13:30-21:00(月火休)
アラマスカフェ 新宿二丁目 タコス・メキシカン 火-木:18:00-2:00
金土祝前:18:00-5:00
日祝:15:00-24:00(月休)
yuricafe anchor 新宿二丁目 百合漫画・30分制 木-月:14:00-23:00
(DAY/BAR TIME制)(火水休)
新宿ダイアログ 新宿三丁目 SDGs・ビーガン対応 11:00-23:00(月火休)

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カフェ利用時のマナーと心構え

LGBTsフレンドリーカフェを利用する際は、多様性を尊重し、すべての人が快適に過ごせる環境を維持することが大切です。基本的なマナーと心構えについてご説明します。

多様性への配慮

LGBTsフレンドリーカフェを利用する際は、多様性への理解と配慮が重要です。さまざまなセクシュアリティやジェンダー表現を持つ人々が利用していることを認識し、偏見のない態度で接することが大切です。

初めて利用する際は、その場の雰囲気を読み取り、自然体で過ごすことを心がけましょう。特別な配慮をしすぎる必要はありませんが、相手の立場や気持ちを理解しようとする姿勢が重要です。

プライバシーの尊重

LGBTsフレンドリーカフェでは、当事者の方々がリラックスして過ごしています。他の利用者のプライバシーを尊重し、写真撮影やSNS投稿の際は十分な配慮が必要です。許可なく他人を撮影したり、個人が特定できるような投稿は避けましょう。

また、カフェ内で聞いた個人的な話題を外部で話すことは避け、安心して過ごせる環境の維持に協力することが大切です。

コミュニティへの参加姿勢

LGBTsフレンドリーカフェは単なる商業施設ではなく、コミュニティスペースとしての側面も持っています。イベントに参加する際は、学ぶ姿勢を持ち、積極的に交流することで、より豊かな体験を得られるでしょう。

同時に、自分のペースで参加することも大切です。無理をして話しかける必要はありませんが、開かれた心で臨むことで、自然な出会いや学びが生まれることが期待できます。

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まとめ

東京には多様で魅力的なLGBTsフレンドリーカフェが存在し、それぞれが独自の特色と役割を持っています。新宿二丁目の「どん浴」「ロイトシロ」「アラマスカフェ」から、SDGsをテーマにした「新宿ダイアログ」まで、利用目的や好みに応じて選択できる選択肢があります。

これらのカフェは単なる飲食店を超えて、LGBTs当事者とアライにとって重要な居場所として機能しています。自分らしく過ごせる空間、同じような経験を持つ人々との出会いの場、そして多様性について学べる場として、社会的に重要な役割を担っています。初めて利用する方も、常連の方も、それぞれのカフェが持つ独特の雰囲気と温かいコミュニティの一員として、素敵な時間を過ごしていただけることでしょう。

今後も東京のLGBTsフレンドリーカフェは、より多くの人々にとって安心できる居場所として発展し続けることが期待されます。多様性を認め合う社会の実現に向けて、これらのカフェが果たす役割はますます重要になっていくでしょう。

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